税理士が教える無申告の人たちの末路。フリーランスなど、収入があるのに申告しない人達はどうなってしまうのか?

どうも、元美容師で税理士をしている黒木といいます。

ネット上では、
「これからはフリーランスの時代」
といった考え方をよく目にします。
その是非は置いておき、実際にフリーランスの人が増えているのは事実です。

美容業界でも、自分のお店を持たず、予約があるときだけどこかの美容室の一席を間借りして仕事をするフリーランス美容師という生き方があります。
通常「面貸し」と呼ばれるものです。

そんなフリーランスの美容師も含め、フリーランスだからバレないだろうという考えのもと、確定申告をしない人がいます。いわゆる無申告というやつです。

税理士である僕の周りには、自ら無申告であるということを言いふらす人はいませんが(いても言えないでしょうけど)、
以前、仕事とは関係ないところで、実際に無申告だったけど今はきちんと申告しているという人から話を聞いたことがあります。
その人はなぜきちんと申告するようになったのか。無申告者が直面する現実とはどんなものなのか?

今日は、フリーランスを含む個人で商売をしている人が無申告だった場合、どのような現実が待ち構えているのかをお話します。

 

無申告はバレるの?

まず、無申告がバレるのかどうかですが、バレる可能性が高いです。
というより、無申告のままだと人並みの生活を送ることが難しくなります。(理由は後程説明します)

人は一人では商売できません。
商売をしている以上、お金を払ってくれるお客さんもいますし、他にも様々な相手とお金のやりとりが生じています。

そうした取引相手に税務調査が入った場合、税務署の人は、税務調査の対象のとなる会社だけでなく、取引先の名前や金額をメモして、ちゃんとその相手が確定申告をしているか調べることがあります。

他にも、きちんと申告している会社や個人事業主には、税務署から「資料せん」という、任意のアンケートみたいなものが送られてきます。
その「資料せん」には、自社の取引先など、いろんな情報を書かないといけません。
義務ではないのですが、ちゃんと書いて提出しているところが多いです。

無申告の場合、どこから自分の情報が税務署へ流れるかわかりません。
壁に耳あり障子に目あり。意外とバレる確率は高いですよ。

無申告がバレたらどうなるの?

「バレたら税金払えばいいや♪(´ε` )」

などと、甘ったるい考えをもっているのであれば、即刻捨てましょう。
まず、無申告の場合には、通常の税金の他に、様々なペナルティが課されます。

延滞税と呼ばれるツタヤの延滞料みたいな罰金や、無申告加算税という罰金、悪質な場合は重加算税というさらに重い罰金が課されます。

 

罰金の率について細かく知りたい方は、以前そこについて詳しく書いた記事がありますので、ご参照ください。

税金にも罰金的なものがあるって知っていました?


参考までにざっくり言っておくと、本来払うべきだった税金の倍くらいの金額になります。
しかも税金の時効は5年、悪質な場合は7年遡れますから、バレたときは無申告だった分を一気にまとめて払わないといけません。

また、所得税だけでなく、売上の金額次第では消費税という税金もかかり、さらには住民税や国保の保険料なども追加でかかりますので、有り金全部どころか尻の毛まですべて持って行かれます。

ちなみにお金がなくて払えないという言い訳も無駄です。絶対払わされます。
税金は自己破産しても免除されませんので、分割で一生払うハメになりますよ。

 

証拠がなかったら?

無申告の場合、万が一バレたとしても、証拠がなければ大丈夫と勘違いしている人がいます。
つまり、売上や経費の証拠になる書類や領収書、通帳などを捨ててしまう人がいるのです。

「証拠がないから大丈夫♪(´ε` )」

という屁理屈は通じません。
税務署はそんなパターンも想定の範囲内。

推計課税(すいけいかぜい)といって、同業他社のデータなどを元に、その人の利益を理して算し、金をすことができます。

簡単にいうと、
「あんたの商売なら、年間こんくらいは売上あって、経費はせいぜいこんなもん、利益はざっくりこんくらいやろ?だから税金こんだけ払ってね」
というやり方で、税金を課されてしまうということです。

もちろん適当な数字ではなく根拠のある数字で計算されますので、実際と大きく外れることはないでしょうが、普通に申告していたときよりも利益が大きくなることの方が多いです。

けど、それでも文句は言えません。

だって脱税する方が悪いから。

 

どうです?だんだん無申告って割に合わないように思えてきませんか?

実際に無申告だった人の現実とは

ここからは、実際に無申告だったAさんが、なぜちゃんと申告するようになったのか、実際に僕がAさんから聞いたお話です。
※当然ですが、自分のお客さんの話ではありません。
友人の友人として知り合ったAさんと飲んだ時に、本人が普通に教えてくれた話です。今回ブログに載せる許可ももらっています。

前提として、Aさんの商売はお店が必要なものではなく、個人相手の商売で、仕入れなどもなく、無申告でもバレないと思っていたそうです。

で、実際に無申告のまま数年が経ったとき、Aさんは結婚をしました。
さらに子供もでき、幸せな家庭を築こうとした矢先のことでした。

子供を保育園に入れるためだったか、児童手当のためだったか、何かしらの手続きで市役所に行った時、「所得・課税証明書※」を求められたんだそうです。
※住んでいる市区町村が、その人の収入や払った税額を証明してくれる書類

このとき、Aさんはものすごく困ったそうです。
奥さんも自分のところの商売を手伝っていたため、対外的には夫婦で無職の状態です。

収入はあるけど、無申告だから言うに言えない。
「もし働いてないなら、手続きすれば非課税証明書を出せますよ」と言われたそうですが、それだと保育園に預けられないし、どうやって生活しているのか聞かれてもうまく答えられない。

困ったAさんは、用事があるふりしてそのまま市役所から逃げ出したそうです。
別に市役所の人に咎められたりしたわけじゃないそうですが、
そこで初めて、自分が心の奥底で無申告であることに対する不安や恐怖を抱えていることに気付いたんですって。

で、そのあと地元の税理士に相談して、きちんと今までの分も申告し、今ではまっとうに生きておられます。
Aさんの場合、無申告の期間が短かったことと、きちんと領収書等は残っていたことなどもあり、そこまで多く罰金はかからず、なんとか税金も払えたようです。

Aさんの話でもわかるように、無申告の場合、結婚したり子供が産まれると、その時点で詰みます。
一生独身だったとしても、実は様々な場面で所得証明というのは必要で、
無申告の人は住宅ローンも組めませんし、クレジットカードも作れません。

無申告者の現実は、いろんな制約で「普通」の生活は送れないと思っていた方がいいです。

え?大きい買い物をしたいときは、現金で払うから大丈夫?

残念ですが、それも難しいです。

家やマンションを買った場合、税務署から
「あんた、家買うたんやて?金は?どうやって準備したんよ?」というお尋ねの文書が送られてきます。
そのお尋ねは本来、親から家の購入資金を出してもらったりする人がいて、そういう人たちには贈与税がかかりますので、そういった申告漏れがないかどうかの確認のためのものですが、無申告の人はこの時点で詰みます。
「タンス預金です!!!」などという言い訳は通用しません。

他にも、車を買ったり、大きなお金の動きがあると、そうしたところから脱税がバレる可能性があります。

無申告で一生逃げ切り、普通の生活を送るのは、ほぼ無理なんです。

それより、一刻も早く申告をし、まっとうな生活を送れるようにしたほうがいいです。

ちなみに無申告の人がきちんと申告する場合、いきなり税務署に行くよりも、まずは税理士に相談してから申告したほうがいいですよ。

一番怪我が少なくて済むように、親切に色々と対応してくれますから。

今からでも遅くありません。もし無申告の方がいらっしゃれば、きちんと申告する後押しができる記事になれば幸いです。

最新情報をチェックしよう!